2020年オリンピック東京開催決定に考える

2020年開催オリンピックとパラリンピック

2006年に2016年開催オリンピックの招致を当時の石原都知事が決めてから苦節7年、ついにその矢を射止めた。1964年 東京 1972年冬 札幌 1998年冬 長野に続き日本国内では4回目のオリンピック開催になる。
もちろん大きな喜びを持って迎えるべきビッグニュースだ。もちろんその瞬間を私はテレビで見ていた。
なにせ、オリンピック東京開催は賛成であったのだから。

しかし、東京開催決定を喜ぶのはこの1日2日にしておいた方が良いのかもしれない。「今さらながらオリンピック東京招致に関して」というエントリーにもつながるのだが2020年東京開催決定に向けて解決すべきいくつもの大きな課題を日本は突き付けられたわけだ。

  • 大きく前進しない震災復興
  • 福島第一原発事故の処理
  • 開催地、首都東京の再整備

ここに挙げたのは、ほんの一例であってそれは多岐にわたる。
今回も最大の関心事ともなった、福島第一原発事故の処理に関してはオリンピックだけの理由ではなく急を要する喫緊の課題だ。今までのように場当たりではなく「いつまでに、何をどうするのか」というアクションプランを早急に示す事も必要となった。

今回は幸いなのかどうなのかは解らないがIOCのジャック・ロゲ会長が「東京の今、福島の今ではなく7年後どうなっているか」が大事なんだと言う趣旨の事を発言した為に開催地決定の投票行動にそれは大きな影響を及ぼさなかったと言われている。それに応える為にも7年後に結実させるのではなく、遅くとも次期オリンピック開催の2016年までに何らかの結実した形を国際社会に対しアピールをする必要がある。

万が一出来なければ2020年の開催そのものについての国際的な議論にさらされることになり場合によってはその開催が危ぶまれる事となる。実際に2016年のブラジル・リオデジャネイロで行われる予定のオリンピックに関しても開催に必要な環境整備・箱物の準備に関して開催が決定したIOC総会での約束よりも遅れIOCでは悩みの種となっていると言う。開催そのものに関する議論も起きた。

ただ、今回に関しては日本という国が重い腰を上げざるを得ない状況になったと言う意味では何も悪い事ではない。今回は政府も東京開催が決まればその足音を早めると言っていたのでそれは間違いないのだろう。

財政規模やその技術力、そして国民の英知、何よりも外圧への弱さでは他の国に引けを取らない日本だ。開催までの7年ではなくこれから3年である程度の形を作れると私は期待しているし国民の一人としてそれに協力できるものはしたいと思う。

民主党 菅直人政権時に背負い込んで膨らみ続ける福島第一原発の処理というツケ払い、震災復興の遅れというツケ払いを抱えた日本が変化するための舵を切るチャンスだ。これ以上のチャンスはない。オリンピック東京開催決定に浮かれることなく、一人一人が出来る事を考え行動し、自分の国に無関心にならず行動できる集団、日本人になれる良い機会になるのではないだろうか。

そんな日本人の真価も問われる3年ないし7年という事だ。