消費税増税で消耗戦。そしてHow toで引きつる笑い

来年4月から消費税が現在の5%から価格の8%になる事が閣議決定で決まりました。
マスメディアではどうやって増税回避をするかというところにクローズアップをして愚かな特集を組んでいる様が目立ちます。消費者心理をうまくつかんだ特集とは言えなくないが、これが日本経済に及ぼす影響を考えているのだろうかと思う事すらあるのです。

マスコミの増税回避How toを見ていると3月までにあらゆるものの買い替え、買いだめが発生し流通の現場が4月以降疲弊する様が眼浮かぶ事すらあります。以前、メーカーで営業をしていた時代の伝手を使って某大手流通グループのバイヤーとこの件について話をしたのでその話を少し。

マスコミ批判ではないが聞こえてくるのは恨み節。

『増税に関しては仕方ない部分もあるがマスコミの伝えている情報を見ていると来年4月以降どれだけモノが売れるのか心配になる事すらある。あんな報道ならしないでほしい。』

という話で終始したのであります。

その通りです。マスコミは視聴者心理をつかむ為なら少々の無理はあっても法に抵触しなければ何でもアリです。今回の増税に関しても伝える視点がどうも間違っているようにしか見えないのであります。視点が消費者目線になるのは良いのですが買い控えが起こすデメリットを真摯に伝え消費動向は変えない様に仕向けるのがマスコミの役目である様にも思うわけなのです。しかし、今回の4月消費増税に絡んでのマスコミ、特にワイドショーの増税回避のHow toに関してはやり過ぎの感も否めないじゃありませんか。

このバイヤーの話の中で何度となく指摘があったのですが、買い控えや増税回避のHow toなんてものをやり過ぎれば4月以降の消費は増税で落ち込む以上のものが予想されるのです。そうなれば流通関連企業の体力が必要以上に消耗する事は目に見えているのです。また、今回の増税に絡んで制定された「消費税還元セール禁止法」の抜け道を探しだし、何でもいいから特売をやるということにもなりかねないのであります。それが現在の流通業の常ってものです。

それは消費者にとってはありがたい話ですが、流通業にとってはただの消耗戦にしかならないわけです。せっかくデフレ不況から脱却しかけている時のこれだからやるせなさが増幅してしまうのであります。

これまで長きに渡り消耗戦を闘いぬいてきた日本人が更なる疲弊をしないように政権が役所をコントロールしてくれるのかと思いきや結局、役所にコントロールされていると思われてもそれは仕方のないお話なわけで。

ましてや、家計向けにはごまかしのバラマキをしてお茶を濁そうとする姿に、もう笑うことしかできないのが正直なところであります。併せて、近い将来起こり得る影響も考えずに増税回避術みたいなバカな特集を組むマスコミとそれに乗っかり小銭を稼いでいる評論家連中には心からの嘲笑を贈呈してあげたいのでございます。

増税がらみの特集を見ていると徐々に顔の引きつった笑顔になる自分がやるせない今日この頃でした。