年賀はがきの自爆営業。換金先がすごかったw

という事で朝日新聞で報道された年賀はがきの自爆営業。

http://www.huffingtonpost.jp/2013/11/17/new-years-card_n_4290215.html *1

色々なところで波紋を広げています。11月18日の官房長官会見では菅官房長官が「無理なく、正常な営業が行われる様に総務省に注視させたい。」とコメントをしたのであります。併せて「無理な販売促進はあってはならないと日本郵政も認識していると報告は受けている。新聞報道があったので、総務省でしっかり注意してほしい」とコメントしたようですが、何を今さら言っちゃっているのでしょうかという感じでしかないのです。

こんな大昔から続く事を今さら注視させたいなんて言ったところで治る所業ではない事は明白であり注視したところで何をどうやったって古くからの習慣は抜けない訳であります。なんて身も蓋も無い事を言いたくなる話だったります。

 

さて、朝日新聞の記事では正規職員、非正規職員に関わらずノルマがありそれを達成する様に自爆営業をするという事で書かれており各々金券ショップで売却して差額に関しては自腹を切るしかないような記述がされておりましたが、少し取材をするとその売り先は金券ショップもしくはネットオークションだけじゃなかったのです。通常考えられる売り先と言えば「友人・知人」であるとか「親・兄弟・親戚」じゃないのかなとは思うのです。しかし、ちょっと取材をしたら・・・。驚きました。

 

その驚きの換金先は「切手ハガキ売りさばき所」です。日本郵便から切手ハガキを仕入れて郵便局同様販売している売りさばき所に換金先を求めている郵便職員もいたのです。

 

「売りさばき所」ってのはどういうところかと言うと、他の商売をやっていて切手やはがきも販売していると言うところです。ほとんどが街の酒屋さんだったりタバコ屋さんだったりなわけですが、額面通りの金額で買わされているって言うんです。売りさばき所で換金なんてのは本当はご法度なのでありますが、私がたまたま取材をさせてもらった売りさばき所では11月に入ってから1000枚引き取ったそうです。という事は売りさばき所は1000枚分に関して利益は無いわけです。

 

普段買い物してもらっているのかいないのか知りませんが何かのしがらみで買う事になってしまったのでしょう。普段であれば塵ほどの利益しかない年賀はがきを額面通りの金額で売りさばき所に預けてその塵ほどの利益も発生させないなんて全く鬼の所業です。それでいて「切手はがき売りさばき所」にまで厳しい数字の詰めをやる郵便局もあるって言うのだから本当に年賀はがき販売に関しては郵便局も赤鬼に変身するってことなんでしょうね。

 

そもそもですが、アホみたいなノルマを課さなければ「年賀はがき」が販売できないのであれば止めてしまえば良いんです。こんなオカシな事にはならないのです。でも止められないのは「年賀はがき」なるものが稼ぎ頭だからなのです。他の郵便事業の赤字を年賀はがきで吸収させてきたというのが大きな病巣になってしまっているわけです。しかし、 今じゃ年賀状ではない別の形が出てきて一般化した事もあり年賀状を出さないなんて人も居るくらいですから「年賀はがき」は10月くらいから予約を取って受注生産くらいにしたら良いのではないかと思うのです。そうしないといつまでもこんな不毛な事が繰り返されるわけですよ。

 

これは少し考えれば分かる事なんですが、年賀はがきに賞味期限なんてものはありませんが一定の時期を過ぎると使わなくなるものです。金券ショップ等などで買い取った自爆分の年賀はがきはどうなるかと言えば、郵便局にて1枚5円の交換手数料で通常のハガキに姿を変えるわけです。そう。郵便局に使われず戻っていくわけです。

ノルマを過大にすればするだけそんな無駄な年賀はがきが増えていくわけです。ちょっと考えりゃわかる事なんですけどね。

 

日本ではどんな業界でも自爆営業ってのが数字を達成する為の1つのツールになっています。ハッキリ言って自爆営業なんてくだらないものは今すぐ止めた方が良いのです。そうしないとね、みんなの為にならないのですよ。

そんなみんなの為にならない自爆営業なんていうワケの分からない日本文化はいりませんね。

*1:ハフティンポストより