秘密保護法修正協議での茶番が酷い~首相が第三者?~
この国の政治家は、いよいよ頭に薹が立ってきたようだ。
特定秘密保護法案修正協議において、とんでもない修正提案がみんなの党になされた。
東京新聞:秘密指定の検証 形だけ 首相が「第三者」的関与:政治(TOKYO Web)
みんなの党は十九日昼の役員会で、国家機密を漏らした公務員らへの罰則を強化する特定秘密保護法案について、与党が示した修正案を了承した。修正案は、政府の意のままの秘密指定を防ぐ第三者機関の設置は盛らず、「首相の『第三者機関的関与』で恣意(しい)的運用を排除し、指揮監督権を明記」としたが、首相は政府代表そのもので「第三者」ではなく、すでに「指揮監督権」もある。三党で合意した恣意性の検証は形式的なものにすぎない。*1
何をどうやったら首相が第三者になりえるのか。全く以って訳がわからない。
そもそも論をこんなところで言いたくはないが、総理大臣は行政の長だ。その行政の長がどうやったら第三者になるのか。この場合の第三者というのは、法律運用者である行政の暴走を防ぐ役割を担うに相応しい立場の事をいうと思うのでありますが・・・。
そう考えた時、この法律(まだ法案だが・・・)が暴走し始めた時、誰もその暴走を止める事が出来ないという事にもなるのです。そこに来てみんなの党の渡辺喜美代表は
「われわれの主張がかなり認められた。」*2
と党の部門会議で強調したと言うのだから頭が痛い。
日本の政治家がこうも社会通念の枠にはまるモノの考え方が出来ないのかと思うと情けなくなる。われわれ一般社会で生きる人々の感覚と乖離(かいり)をしている人たちがこんな重要な法律を茶番にも似た愚かな内容の議論で闘争としている事に憂いを覚えるのと同時に、そんな政治家を選んでしまったわれわれは猛省をしないといけないのかもしれないのですが、その前に有権者の負託を受けた国会議員の皆さんにも猛省を促したいのであります。
現在は維新の会所属の片山虎之助元総務大臣がこんなツイートをしている。
特定秘密保護法案の修正協議で、特定秘密の指定について首相が第三者機関的観点から関与するとか、指揮監督権を明記するとかが合意されたと報じられていますが、もともと内閣は一体で首相はその代表、指揮監督権はすでに持っています。修正の名に値しません。
— 片山虎之助 (@katayama1122) 2013, 11月 20
その維新の会との修正協議はどうであったかというとこれまた茶番だ。
与党は法案の付則に「第三者機関の設置の検討」を盛り込むことを伝え、維新も受け入れた。維新が求める最長三十年での秘密指定の全面解除に関しては、与党側は指定期間を延長できるケースを法案に例示することを検討する考えを伝えた。*3
第三者機関に関しては「検討するという」付則。検討すると言う事は霞が関流にいうと「検討しましたけどね。やっぱり無理です。」という余地を残したと言う事で何一つ修正をされていないのであります。それを受け入れた維新の会ってのも相当間抜けとしか言いようがないのです。
こうなったらあの芸能人飛沫議員のクローンでも作って野党各党に送り込んで修正協議をやり直させたいくらいの衝動に駆られるのだが、それこそ日本の憲政史に禍根を残してしまうのでそれはしないとして、この不誠実で且つやる気の無い野党の姿勢に苛立ちすら覚えるのであります。
ツイートを紹介した片山虎之助議員はこの臨時国会を会期延長して審議を尽くしてからでも遅くないと言っているのでありますが、まさにその通りで時間切れ廃案からの通常国会で出直しでも全く遅くないのではないかと思うのであります。
国会のこんな重要な法案の審議に茶番も何も要らないので真剣に審議をして頂きたいものであります。真剣な審議が出来ないのであれば政治空白を起こしちゃいかんのですが、仕方が無いのでみなさんお辞めいただきたいものです。
国民はこんな茶番に付き合わされる暇は無いのであります。
しかし、こんな重要な法律案に興味が無い人が多過ぎやしませんかね。
それも、わたしゃ気に入らないんですがね・・・。