金になる経歴、ならない経歴 ~酒場の会話からつれづれに・・・~

ある月初の金曜日。

懇意にしてもらっている経営者の方からお誘いを受け飲みに出かけた。

いつも通り、私が懇意にしている店で旬の魚やらをつまみながら酒を飲んでいたのだが、隣席に座る2人の酒場の会話についつい聞き耳を立ててしまった。

A)最近、求人増えてきているから忙しくなってきているよね。

B)だねー。でもさ、求職者も無理なことを言う求職者って多くない?

A)多いかもね。でもさ無理なこと言う人ってさほど金にならない経歴なんだよね。

B)そうそう。そういう奴に限ってあれやこれや言う。

・・・・・話は続く・・・・・

 

 酒場の会話というのは面白いもので、酒の勢いを借りて核心的な本音が出るものだ。

言い換えれば「酒場は本音のるつぼ。」とでも言おうか・・・。

 

会話から推察するに、人材業界の人たちの会話だろうか。

人材紹介の場合は初年度年収の3割程度が募集企業から人材紹介会社に支払われるという。そうなれば転職できそうもない経歴の人物は彼らの感覚から行くと「金にならない経歴」となるのかもしれない。

 それにしても会話にセンスが無い。「キミらの経歴は金になるのか?」と突っ込みたくなるくらいのセンスの無さだ。そう突っ込まれた時、彼らがどんな表情になりどんなリアクションになるのか見てみたかったという思いもする。

 

それはさておき。

彼らの言うところの金になる経歴とはどんな経歴なのだろうか。

彼らの思うところの金になる経歴の人物は実在するのだろうか。

なんて事を考えると日も暮れゆくわけだが、仮にだが「人の経歴」=「商品」と考えた時にそうした仕事をしている以上、どんな経歴の人を預けられても「金」にするのが彼らのミッションだ。

そのミッションを果たした上でその様な会話をしているのかと言えば、多分そうではないケースの方が多いように思う。義務を果たせないからこそ文句を言うというのが世の常だったように記憶をしている。

 

そう考えると・・・。

金にならない経歴の人物が多いのではなく、残念ながら彼らには他人の経歴を金にする能力が無いだけなのだ。そんな人物が他人の経歴を金になるならないと酒場の会話ですることも100年早いという事なのだろう。

 

残念ながら、彼らの会話を聞いていると彼らの仕事のレベルも会社のレベルも直ぐに分かってしまった。私が懇意にしている店だったので、店主に彼らの会社名を聞いたところ誰もが聞いた事のある業界大手の総合情報・人材企業だというから少し驚いたりもしたのだが・・・。

 

それにしても・・・。

酒場の会話とはいえ、あまり聞きたくない類の話を聞いてしまった。

その後の酒が美味くなかったのは言うまでも無い。