飛んで下向く飛び込み営業

東京から帰ってきて2日。

気温差が大きすぎて少々ポンコツ気味の体を何とか動かしている。という状況で何か書きたいがネタに乏しくどうしようかと思っていた時に、ありがたいネタが飛び込んできた。

 

そんな、体のポンコツ具合が少し解消されつつある土曜の夕方。

配置薬の営業を名乗る人物が飛び込みでやってきた。少々のウザさを覚えながらもインターフォン越しに話をしてみた。

セールス)置き薬の○○薬品と申します。
セールス)置き薬のご案内でして。玄関口に出てきて頂けませんか
私)ウチは置き薬ありますから結構です。


セールス)今、無料ですから、この機会にいかがですか。
私)ウチは間に合ってますから。

セールス)実は研修で配らされているんですよ。お願できませんか
私)そうなんだ。要らないものはいらないので・・・。

~~会話は続く~~

営業の経験のある人は直ぐに分かるが残念ながら、ここまでの会話で1つの迷惑と2つの大きなミスがある。

 

1つ迷惑。

時間帯を考えたトークが出来ていない。例えば「お忙しい時間にスミマセン。」であるとかという訪問する時間を気遣ったトークの入り口が無いのである。そこに来て、「玄関口まで出てきて頂けませんでしょうか。」と自分マターの行動に出てしまう。

これでは開けてもらえるドアも開けてもらえなくなる。それどころか相手の心の扉すら閉めてしまう。玄関口に出るか出ないかは訪問される側のさじ加減だ。必要のないモノを売りに来た輩を招き入れる為にドアを開ける「優しい人」はいないのである。

 

1つ目のミス。

「実は研修で配らされているんですよ。」という素人宣言。営業という観点で言えばミス以外の何物でもない。配置薬にしろ何にしろ、研修中であると宣言したセールスに何かお願いしようという人もいないのである。むしろ、この手のものは知識に溢れた人にお願いしたいと思うのが世の常で、素人宣言してしまった人は門前払いされるものである。

 

2つ目のミス。

無料で配っていると言ってしまったこと。賢い人ならば無料なんてものには飛びつかない。無料の裏をよく知っているからだ。今回のように配置薬の場合、初回無料で置かせたとしても次回のセールス訪問時までに消費分があれば、その集金をされるという裏があるので無料なんて事はないのだ。にも、拘らず無料と言ってしまうのはミス以外の何物でもない。

 

こんな事も分からないで営業をしているのかという片腹痛さもあり、思わず「営業の仕事は初めてですか?」と聞いたところ初めてだという。何件断られたか知る由もないが声だけ聞けば完全に意気消沈。

まさに飛んで下向く飛び込み営業というところだろうか。

 

顔を見ていないので声から想像する事しか出来ないが私と同輩くらいだと思う。私と同輩くらいの人がはじめての営業という仕事に就くために選ぶ業種・業界としては残念ながら間違ってしまったとしか言い様が無い。残念ながら長続きしない事だけは想像に難くない。

 

結局、会社にしてみれば使い捨て人材という事なのだろう。だからあんな状況でも営業に出してしまう。間違って数字が取れればそれに越した事はないのだから。そう考えると、どこかの転職情報・支援会社がキャッチコピーにした「転職は慎重に」というのは、まんざら間違っていないということかもしれない。