小泉脱原発論を切り口に徒然と・・・。

このところ、何だか脱原発論が小泉純一郎元総理大臣の周辺を中心に元気になってきました。
それに呼応するように野党の脱原発論も何となくではあるが元気になってきているのであります。ただ直近の野党が脱原発論は小泉純一郎氏に乗っかって行こうという意図が見え見えなのではありますが。

小泉氏の脱原発論はフィンランドの地層処理の現場を見てきて日本では同じ事を出来ないと言うところの想いを強くしたところから派生したものであるとも言われているところですが、さて、小泉氏の脱原発論。そんなに簡単に乗っかって良いものだと言っても良いのでありましょうか。

という疑問が沸々と沸き上がってくるのであります。


この脱原発論を使って安倍総理にこれに関する決断を突き付けポスト安倍を担ぐ為の道具なんて言う裏があるなんて見方もできなくはない訳であります。元来、論理的思考が出来ないなんていう様に揶揄される事が多い方でありますので何を考えての脱原発論なのか分からない所もあるわけです。

何よりも今の日本には東日本大震災の発災により発生した福島第一原発事故に端を発する一連の問題からの感情的な脱原発ではない「反原発」がくすぶっている中、この様な発言でその反原発を盛りたててしまわないかと心配にすらなる所行だったりもするわけです。

今一度考えないといけないのは

「何故、原子力発電という枠組みから脱却しなければならないか」

という事であります。

その基本に立ち戻り、感情抜きで国民全体の議論を形成する事ではないかと思うのです。しかし、現状はどうなっているかというと脱原発反原発というそれは似て非なる2つのものが存在してしまっているのであります。そんな似て非なるものが化学反応を起こして話が良い方向に行けばいいのですが、そうは問屋がおろさないのであります。

今、脱原発という考え方と議論を更に進行しそれを現実のものにするには

  1. これからの脱原発スキームを明確にする事
  2. 使用済み核燃料の行き先と処分処理の方法を明確にする事
  3. それらと並行して代替エネルギーをどうするか明確にする事

そういった筋道を語る事が小泉氏に関しても求められるわけですがそこが語られないために、無用な詮索が避けられない事になっているのであります。併せて、これらの話が遅々として進まずどれひとつとして明確な議論になっていない事を見ると、どうも政府は脱原発をやる気が全くないのではないかと勘繰りたくもなるのです。三菱重工業も参加をする国際コンソーシアムが原発輸出をするというスキームもトルコ政府と正式合意のものとなっているとういうのもその証拠になるのではないかと考える事もできるのであります。

日本という国のものの考え方から行くと自国で使えなくなったものを海外へ輸出するなんて考えは間違っても起こさないはずなのでこれが日本国内での原発推進論を更に進行させる為の試金石でもあり、海外に輸出して安全な原発というワケの分からない既成事実として使われる可能性すらあるわけです。

国内の原発事情を見ながらもその旗振りをしたのが安倍総理であり、その口から発せられる脱原発も何だか眉唾にも感じられるのであります。これから発電システムを輸出するのであればGTCC(ガスタービンコン・バインド発電)を輸出する方がよっぽど良いのではないかとすら思うのです。

このGTCCと呼ばれるこれまでの火力発電をさらに進化させた先進火力と呼ばれる発電システムは原発建設コストの1割程度のコストで作れると言う事と建設にかかる期間も2~3年と原発よりもそのメリットは大きい訳であります。

また日本国内の火力発電施設をこの先進火力に置き換える事によって日本国内の原発と同程度の発電量を担保できるともされているのでありますが、この研究開発を行っている三菱重工社内で原発部門のパワーバランスが強いこともあり情報の発信が限定的でもあるわけです。

 

原発に関する考え方ってのは「保守vs革新」というのと同じです。要は、イデオロギーの問題なのであります。原発推進論は保守、脱原発論は革新。そんな構図です。しかし、今はそんなイデオロギーが優先されるべき時ではないはずなのですが政府利益や企業利益が優先されているのがげんじょうなのであります。

保守というイデオロギーが勝っているわけです。
小泉純一郎氏の脱原発論の言っている事は至極当たり前なのでありますが裏側にはそのイデオロギーや政治的思想が見え隠れしてならないのであります。

要は原発を使って国民不在の「小泉政治劇場」の再演が計られている様な気がしていると言う事です。そんな再演を国民が望んでいるわけもなくイデオロギーや感情抜きに原発をどうするべきかという議論をしてその結論を出す事なわけです。

原発が推進され原発しか考えられない時代であればその推進は分からなくもありませんが、あまり引き合いに出したくないのですが自然エネルギーだって一応あるわけだし、原発を含む日本の電力を賄えるGTCCだってあるわけです。

そんな中、イデオロギーと政治家や企業の思惑だけで原発推進論に動くのではなく、そういったものを抜きにした議論を見たいと思うのであります。

あっ。一言だけ。
将来的に原発が無くなることを望んでますが即時脱原発ではありませんよ。
何事も経過措置というのは必要なんです。私の考えは、これから5年から10年掛けて原発は運転を停止して廃止。その間にGTCCの設備に置き換える。使用済み燃料について当初は日本が頭を下げて海外で処理。そして国内で処理をする方策を大至急策定して国内処理も可能にする。
そんな感じです。