特定秘密保護法案支持のサイトレントマジョリティはいたのか・・・。
12月6日夜このブログでも何度となく取り上げた特定秘密保護法案が与野党の参議院本会議において賛成多数で可決成立した。
国会では十分な審議時間が尽くされたとされる40時間というラインを越えた審議時間だったため与党はこれ以上の審議は必要が無いという判断の下に採決に関して強硬な行動を取った末の可決だった。
感想を一言でいえば
「昔の自民党に戻ったな。どこにも目新しさは無い」
という事だろうか。
むしろ、昔の自民党よりも更に悪いかもしれない。
という、一抹の虚しさすら感じる参議院での可決だった。当然、これはある程度の時期から予測をされた事であったが見事なまでに衆参共に強行採決となると出来レースであった感も否めない。
そして自民党にすり寄った「みんなの党」「維新の会」という存在がそれを加速させたという一面がある事も厳然たる事実として受け止めないといけない。
ところで、某番組にて特定秘密保護法案に関して面白いやり取りがあった。
11月から装いも新たに生まれ変わったTBS系の12月6日放送分の「朝ズバ!」だ。
日替わりMCの水道橋博士がこんなことを言った。
今聞いてて、中谷さんが無神経にしか見えないんですよ。
中谷元 自民党副幹事長にこんなことを言い放った。他のコメンテーターが放送法を遵守するかのような中立な発言に終始する中、どうも水道橋博士だけがどこか違った。
(法案の強行採決に)どこが『自由』『民主』党なんだと思いましたね
これだけ民意が反対の方向に盛り上がっているときに、ここまで強行するってのは…、本当にこう、国民を舐めてるのかなあ
これに対して中谷副幹事長は
サイレントマジョリティーは支持している
審議が不十分だというが、このままではエンドレス
水道橋博士は食い下がる。
『エンドレスですよ』って、『エンド』だって決めてるのは中谷さんだけじゃないですか。それをなぜ今日…、今日ですよ。なぜこうはねのける。今、全員一致ですよ!
ここまでに挙げたやり取りで中谷副幹事長が言ったこの一言がとても気になるのだ。
「サイレントマジョリティは支持している」
サイレントマジョリティトとは確認するまでもなくモノ言わぬ多数派だ。
この法案に対してモノ言わぬ多数派がどれだけ支持していたのか。中谷幹事長の感覚的なものか、希望的観測か。あるいは、その場しのぎであったのか。
世論調査というものは調査するタイミングによって結果は大きく変わるものではあるが共同通信が法案成立後の12月8日・9日で行った世論調査で特定秘密保護法を今後どうすればいいかと問うたところ、「修正する」が54.1%「廃止する」と答えた人が28.2%にのぼった。もう少し結果を見ていくと
修正する 54.1%
廃止する 28.2%
このまま施行する 9.4%
同時期に調査をされたNHKの世論調査では特定秘密保護法の成立について評価をするかと問うた。
大いに評価する 6%
ある程度評価する 27%
あまり評価しない 35%
全く評価しない 23%
この結果だけをみれば中谷副幹事長が言う「サイレントマジョリティ」という「モノ言わぬ多数派」という存在が世論の中にいたと言い切るには無理がある。
では、中谷副幹事長が「サイレントマジョリティ」と言い切った存在は何処にいたのか。世論ではなく、まぎれもなく国会内の与党がその存在であるとしか言い様がない。
そして中谷副幹事長もそこを意図して「サイレントマジョリティ」は支持しているという事を言ったのかもしれない。もしも、そうだとすればそれは大きな間違いだ。そこに国民はいないからだ。
先述の2つの世論調査では内閣支持率が10ポイント下がった。
原因はこの件だけではないとは思われるが、早めに間違いに気づかないと右肩下がりになる事は目に見えてきた。