政治的大量破壊兵器とはよく言ったものなり

アメリカの債務上限に関してアメリカの与野党が合意をしてデフォルトの回避がされました。
簡単に言えば、アメリカが借金を出来る上限を引き上げなければ、これまでの借金に関する償還が出来なくなり債務不履行に陥りアメリカ国債がデフォルトしかねないという問題だったのですが

それが日本時間の10月17日午前、アメリカ連邦議会上下両院に回避策が可決され、成立したのであります。その内容は・・・。

  • アメリカ連邦政府の支出水準を2014年1月15日まで維持する。
  • 債務引き上げ上限を2014年2月7日まで延長する。


というものであります。


ハッキリ言えば問題の先送りなわけで、また来年2月7日を目の前にした時期、もしくはアメリカの年度替わりが来る時期に同じ事で民主・共和両党でまた、すったもんだやろうという申し合わせをしたわけで。

この件に関して、面白い発言を目にしたのであります。

米国の債務上限を引上げないと言う脅しは 
        政治的な大量破壊兵器の様なもの

 

これはウォーレン・バフェットというアメリカの投資会社バークシャー・ハザウェイのCEOが述べたものなのです。
これに関しては言い得て妙という事で実に腹オチだったわけですが、アメリカドルがデフォルトするなんてのは、まさに大量破壊兵器なのでありまして。

政治的大量破壊兵器を共和党がぶっ放す覚悟があったかと言えば、そうではなく今回の件は2014年に来る中間選挙を目の前にした政治的パフォーマンスだったとも言えるわけですが、万が一にも無いとは言え政治的大量破壊兵器がぶっ放された時の被害たるや、そりゃもう甚大なんてレベルではない訳であります。

日本への影響を抜き取ってみても、保有している1兆円強にも及ぶアメリカ国債の利払いが受けられないばかりか、償還すら受けられない。併せて表面的に上向いていると言われている日本経済も深刻なダメージを受け、世界的にみれば2008年の「リーマンショック」や世界史で勉強した「世界大恐慌」なんて目じゃない、スカッドミサイル級の被害を受けるわけです。

アメリカもシリアの大量破壊兵器がどうのこうのなんて言っている場合じゃなくなるわけですよ。

そう考えた時にウォーレン・バフェット氏の発言はとてつもなく言い得て妙だったわけです。

さて、日本で議会が紛糾してデフォルトの危機にさらされるかと言えば絶対与党が政権運営をしている日本ではまずあり得ないのであります。民主党政権時のようにねじれていれば起きえた事ですがね。

しかしながら、早かれ遅かれ日本がデフォルトなんて話もない事じゃないわけで。
アメリカで毎年繰り返されるデフォルト危機。対岸の火事として捉えていたらいけないということですな。