靖国参拝で話題になるA級って何?

ということで靖国参拝絡み2稿目。

終戦記念日近くや靖国参拝があると必ずと言っていいほど話題になる第2次世界大戦後の極東軍事裁判(東京裁判)で分けられた戦犯のA級・B級・C級という区分けなのかランクなのか今イチ正しい理解がされていないもの。

 

靖国参拝に関してこれを批判の種とする事が多いように思える。

そこで、ご存知の方には釈迦に説法であるが今一度確認をしておこうと思う。

A級戦犯が合祀されている靖国神社に参拝するとは言語道断だ。

こんな論調の批判を耳にする事も多いわけだがこの論調の方になぜA級戦犯が合祀されていてはいけないのか問うた事がある。何故、そんな事を問うたかと言えば間違った認識をしている事が多いからだ。そうするとお約束の様にこんな答えが返ってくる。

戦犯で一番悪質度合いの高いのがA級戦犯

これは大きな間違いで、これがオカシな批判を生みだす種なのであるとも言える。

では戦犯におけるA・B・Cとは何なのか。悪質さを表す指標でも何でもない。単なるカテゴライズなわけだ。どんなカテゴライズかと言えば

 

Type-A    平和に対する罪(極東国際軍事裁判所 条例5条(イ))

Type-B 通例の戦争犯罪(極東国際軍事裁判所 条例5条(ロ))

Type-C 人道に対する罪(極東国際軍事裁判所 条例5条(ハ))

 

このタイプ分けが為されている極東国際軍事裁判所条例というのは1945年8月8日にアメリカ・イギリス・フランス・当時のソビエト連邦の4カ国で締結されたロンドン協定で定義されたものを基に作られたものであり、その根拠法は日本国内には当時も現在も存在しない。

 

また一般的に悪質性が高いとされているType-A(A級)はその行為が為された後に、その行為が犯罪だと定義される所謂「事後法」であり、日本人の戦争犯罪と呼ばれるものにはそれを裁くための根拠に乏しくこう言ったものを作らざるを得なかったとも言われている。

 

Type-Aとされ絞首刑にされた7名は根拠に乏しい内容で裁判を受けその結果をもたらされたという事も言えるのかもしれない。因みにその7名は絞首刑後、横浜の久保山霊場で火葬され、その遺骨や灰を当時のアメリカ軍によって東京湾に捨てられた。

 

話は逸れてしまったが、結局のところ悪質性でも何でもなく単なる罪名罰条を確定させるための公訴事実のタイプ分けでしかないという事だ。しかし、その公訴事実も国内法上、全く根拠のないものだったという事だ。

 

そのカテゴリー分けが今でも残っているかと言えばオフィシャルには残っていない。1953年「戦争犯罪による受刑者の赦免に関する決議」により名誉回復がされている。

 

A級戦犯が合祀されているからどうのこうのというのは批判には当たらないと言えるという事になる。